タミフルの異常行動と低体温症

商品名タミフルと呼ばれているオセルタミビルは、本社をスイスに置くロシュ社が全世界に販売するインフルエンザ治療薬です。インフルエンザウイルスが細胞内で増殖し、複製されたウイルスが他の細胞へ再び感染していく際に働くノイラミニダーゼという酵素の働きを阻害することで、インフルエンザウイルスの増殖を抑制する効果があります。
日本でも2001年以降、オセルタミビルの使用が開始されました。しかし、オセルタミビルを10歳以上の子どもに投与した後に異常行動を起こしたケースが報告されたため、2007年に厚生労働省は、オセルタミビルと異常行動の関係性は継続して解析していく必要があるとして、原則として10歳以上の子どもへの投与を制限すると発表しました。
オセルタミビルの投与の有無にかかわらず、高熱による幻覚や幻聴はインフルエンザに感染・発症した人の約10%に起こり、またインフルエンザ脳症の初期症状でもあるため、異常行動を直接結びつける事実は確認できてはいませんが、2014年に完全な臨床試験結果が公開された際に、副作用として、異常行動が約1%発生すると報告されました。
また、オセルタミビルの副作用には低体温症状があり、39℃の高熱から一転して、35℃程度まで体温が下がってしまうことがあります。
人の体温は35℃以下になると、生命の危険が高まりますし、体温が1℃下がれば免疫力は約30%低下することから、インフルエンザの完治に時間がかかることになります。
また、服用後の呼吸困難や心肺停止、異常行動を含む意識障害は、高熱から急激に体温が低下して低体温症状に陥ったために引き起こされた可能性があります。これらは、脳の呼吸中枢や体温中枢などの生命活動の中枢がオセルタミビルにより影響を受けている可能性を示しています。